このヴォイスワークで実践すること

インドの高名なスーフィーの音楽家であったハズラト・イナーヤト・ハーンは「声は魂の乗りもの」であり、「声とは気息(プラーナ)で、それが外に形になって顕れたもの」とも語っています。

長く東洋では私たちの身体の内を呼吸と共に巡っている、目には見えないけれど存在する精妙で多次元的な生命エネルギーのことを「氣」「プラーナ」などと呼び、私たちの生命を根源から支えているものだと考えてきました。

また、そのような精妙な生命エネルギーは私たちの心や潜在意識、魂の領域にもつながっており、私たちの心と身体、そして魂をつなぐものであるとも捉えられてきました。

そのような私たちの精妙な生命エネルギーが、呼吸を通して物理的音響になったものが声です。

呼吸を通して私たちの深いレベルの生命エネルギーにつながり、それを物理的な音響である「声」としてこの私たちの身体に直接響かせることで、私たちの心と身体、魂を統合し、一致させていくことができます。

私たちの心と身体、魂が一致した時に、自分自身への自己認識が生まれ、本当の意味での自己実現とは何かということへの深い理解が生まれるのです。

自己変容のためのツールとして「声」を用いることの利点は、自らの声を通して心と身体にダイレクトに働きかけることができるという点です。

速やかに、直接的にご自身の変容を進めることができるという点において、声は非常にパワフルだと言うことができると思います。

このヴォイスワークにおける具体的な実践としては、次の3つのポイントを大切に行なっていきます。

* 呼吸と声によるマインドフルネス / 身体と環境へのアウェアネスを高める・広げる・深める
今、自分の身体が感じていることを、ありのままに気づく。

この、今ここの、この瞬間を感じ続けている、身体への気づきの力=アウェアネスの力が、魂にアプローチしていく時にいちばん大切な力、です。

アウェアネス=気づきの力を高めると、今この瞬間に、自分の身体にどういう感覚があるか・どんな感情が起きているのか・どんな思考が起きているのかに、とらわれない状態で気づくことができます。

実はこの「気づく力」にはとてもパワフルな力があり、それは個人の変容のためのベースとなる力であり、今この瞬間に生きている命の豊かさを味わうためのベースとなる力でもあります。

「声」を通してアウェアネスの力を養う利点は、他ならない自分自身の声で、物理的な身体の振動・実感を通して行なっていくことができるという点です。

* 声による心身のアライメント/ 身体という楽器の調律を行うエネルギーワーク
このような物理的な身体へのアウェアネスの力をベースに、その物理的な身体のレベルを超えていく精妙な生命エネルギーを扱うワークを行なっていきます。10のエネルギーポイント・テーマを中心に、私たちの心身を貫いて流れる精妙な生命エネルギーのバイブレーションに声を通してアクセスし、音声化していくことを体得していきます。

それらのエネルギーに共振し、声を通して私たちの身体に震わせることで、それぞれのエネルギーを私たちの身体と心に統合し全体的なバランスをとっていくことを目的としています。

私たちの身体は文字通り、「楽器」としてデザインされています。この大切な、ひとりひとりに与えられている楽器を調律し、奏でることで、この世界全体との協奏・共創する感覚を養っていきます。

それによって、私たちはいのちの全体性を生きる道を歩むことを共に学んでいきます。

10のエネルギーポイント・テーマとは:
天の響き(クラウンチャクラ) 地の響き(ルートチャクラ) ハート・愛の響き(ハートチャクラ) 頭脳のバランス(右脳のエネルギー・左脳のエネルギー・左脳 右脳の統合のエネルギー アジュナチャクラ) 女性性(左半身)のエネルギー 男性性(右半身)のエネルギー  宇宙の愛(胸腺チャクラ) 天地統合の響き(横隔膜センター) 

* 魂のうた
それぞれの物質的な身体のレベルを超えていく精妙な生命エネルギーは、固有の魂の響きをもっています。ナビゲーターによる誘導により、この魂の固有の響きを音声に転換させ、ご自身の「魂のうた」を歌っていきます。

魂とは、私たちという存在の本質そのもの。

そこから立ち上がってくる世界は、ご自身が生きている世界を、全く違う地平から、照らし出してくれるでしょう。

私たちの自我を超えた魂から響く声は、より深く私たちの意識を統合する方向へと向かいます。